職業性ストレスについて(コラム6)
コラム今回は、職場のストレッサーの種類や、ストレス反応の強弱に影響を与える要因について考えていきたいと思います。
■仕事のストレスと健康のモデル
米国立労働安全衛生研究所(NIOSH)のHurrell, J. J. Jr., & McLaney, M. A. (1988)の論文において、下記の図のように職業性のストレスモデルが説明されています。
働くことに伴うさまざまストレッサーとストレッサーによって引き起こされるストレス反応と疾病への進展が横矢印「→」で示されています。そして、横矢印「→」に「↑」や「↓」でストレス反応に影響を与える個人的要因、仕事以外の要因(家庭など)、ストレスを緩和する緩衝要因(社会的支援など)が示されています。
職場のストレッサーが強い場合や、職場以外のストレッサーが重なったり、長期に及んだりして、個人のストレス耐性の限界を超えてしまうと、何らかの健康被害が発生してしまいます。
また、この図からわかるように、ストレス反応には、年齢や性別、性格や自尊心など個人的要因の影響も大きいこともわかります。
職場のメンタルヘルスを考える際の参考にしていただければと思います。
出所:Hurrell, J. J. Jr., & McLaney, M. A. (1988). Exposure to job stress: A new psychometric instrument. Scandinavian Journal of Work, Environmental and Health, 14, 27-28.
■仕事のストレスの原因となる作業内容・職場組織及び物理的環境
職場のストレッサーについては、様々ですが、ストレスの原因となりうる職場環境の具体的な内容をみていくと、①作業内容及び方法、②職場組織、③職場の物理化学的環境の大きく3つに分かれます。
経営者はこれらの項目を十分に把握し、現状の職場を見直すきっかけにしていただければと思います。
出所:川上憲人,原谷隆史(1999)職業性ストレスの健康影響.産業医ジャーナル;22:51-55.
参考文献
Hurrell, J. J. Jr., & McLaney, M. A. (1988). Exposure to job stress: A new psychometric instrument. Scandinavian Journal of Work, Environmental and Health, 14, 27-28.
川上憲人,原谷隆史(1999)職業性ストレスの健康影響.産業医ジャーナル;22:51-55.
弁護士 竹中 由佳理